「熱中症」と「脱水」が気になる季節がやってきました。
人間の体の65%は「水」と言われています。
人間は水なしでは数日で死んでしまいます、食べなくても2か月は生きられるそうですが。
しかも気づかないうちに「脱水症状」になっているらしいのです。
「脱水」の原因はいろいろ
塩分が多い加工食品、野菜や果物の不足、照明、冷暖房、電子機器、市販薬に処方薬など。
さらに、老廃物の排出が妨げられるような仕事や生活。
これが、疲労、集中力のなさ、不眠、体重の増加となって表れます。
たとえば「体重の増加」ですが、肥満している人は水分の補給が十分ではない、というデータがあるそうです。
逆に水分を食前に摂ると減量しやすい、つまり老廃物の排出がうまくいき、代謝が進むのですね。
脱水は、不眠症、頭痛、便秘、免疫力の低下、糖尿病などの慢性疾患、を引き起こします。
もしかしたらアルツハイマー病も。
では上手な水分補給の方法はあるのだろうか?
さもちろん十分な水を飲むことは大事です。
ただ、「飲む」だけではダメで「水分を体に吸収させること」が大事なのです。
水だけを大量に飲んでも体に水分が吸収されることにはなりません。
水分もヒトの細胞を通して吸収されますから、酸素や他の栄養分と一緒に血管を通って身体の末端にまで行くことができます。
熱中症になった高齢者に点滴で水分が補給されるのは、しかもそれはただの「水」ではなく体内の水分と同じ成分の「水」ですが、その方が早く確実に水分補給ができるからです。
例えば、ミネラルウオーターは、ミネラルが水に溶け込んでいて、サプリメントという固形物で摂るよりもミネラルが吸収されやすいのです。
りんごを食べれば、医者いらず、という言葉があります。
これは、りんごの水分は身体に吸収されやすい、ということでもあるのです。
水を摂りにくい高齢者はりんごを食べると良いですね。
さらに「スムージー」という形態。
野菜や果物をジェル状というか、液体状にしておくと、いわば栄養分が水溶液に溶けている状態になって、身体に吸収されやすくなります。
水分を体内に留める為に
水は体内にとりこまれてもどんどん排出されていきます。
便や尿、汗など。
ですから、次々に補給しなければなりません。
補給するなら、体内に長く留まってくれるほうが いいですよね。
そこで登場するのが植物にふくまれた水です。
りんご、洋ナシなどに含まれる水分は、栄養素とミネラル、繊維質がバランスよく含まれた自然の言わば『食べる水』である、といえるのです。
さらにこの「繊維質」のおかげで、水はゆっくり吸収されるために、長く体内に留まるのです。
「水分補給」というのは、水を飲むことだけではない、と意識しておきましょう。
また必要な水分量は、年齢、体の乾燥状態、筋肉量、使用している薬の量と種類、など人によって異なります。
が、何を食べるか、によって水分補給がうまくできるかどうかが決まってくるのです。
新鮮で、瑞々しい果物や野菜を多めに摂れば、繊維が摂れて、体内に長く水分を保持できるのです。
水を「飲む」ばかりでなく「食べる」ようにしていきましょう。
参考文献
「食べる水」が体を変える・コーエン、ブリア著・講談社